平成17年度
北の町で根付いた新たなる森林産業「産業クラスター」による挑戦 北海道下川町 下川町組合
●森林組合らしくない森林組合
北海道北部の都市旭川市から北へ100kmほど入ったところにある北海道上川郡下川町――。冬は、マイナス30°にもなり、また夏の最も暑いときは30°、その気温差60°という地域である。
この町が全国的に有名になったのは、「スキージャンプ選手の出身地」としてだろう。
今回のトリノ冬季オリンピックにも出場した、岡部孝信(おかべたかのぶ)[雪印]、葛西紀明(かさいのりあき)、伊東大貴(いとうだいき)[ともに土屋ホーム]、そして伊藤謙司郎(いとうけんじろう)[下川商高]の4人が、この町の出身である。この4人が所属していたのが1976年に結成された「下川ジャンプ少年団」。町内には、8m、26m、40m、65mのジャンプ台があり、彼らはそこで幼い頃から練習を続け、世界的な選手となって羽ばたいていったのだ。
そんな下川町が、いま、ジャンプ以外のことでも全国から熱い注目を集めているのをご存知だろうか。
町の中心に位置する下川町森林組合――。
ここで現在、少しばかり森林組合らしくない商品が開発され、全国に販売されている。『HOKKAIDOもみの木』というブランド名の商品群がそれだ。
いわば「香りのビジネス」に森林組合が取り組んでいるのである。
下川町で採れたトドマツ(分類はマツ科モミ属)から抽出したオイルを加工し、アロマテラピーに利用してもらおうと考案されたもの。開始年こそ赤字だったものの、翌年からは黒字に転換、今では年間1万点が全国雑貨ルートに乗り、LOFTなどの有名店で販売されている。

トドマツから抽出したオイルで作る化粧水やアロマオイル

札幌出身の陣内 雄さん
実は、15年ほど前に大手の香料メーカーから「トドマツの油を採って欲しい」という依頼があり、ビジネスになるかもしれないと挑戦したことがあったのだという。
しかし、さんざん苦労したあげく、キロいくらで計算したら、まったく採算が合わなかった。「それで、しばらくしてから、農業利用や鹿の食害用などとして、または消臭用としての開発を続けていたのですが、コスト的な問題はどうしても解消できませんでした。ところが『産業クラスター』という考え方が、行き詰まっていた問題をいとも簡単に解決してくれたんです」


