平成17年度

都会の人を山に呼ぶ一大事業天然ワラビ園 奈良県東吉野村『花ごころ』 竹内信市さん

●木材だけではダメだ!

「吉野の林業は、山の仕立て方が違ったんです」
 こう語る竹内信市(たけうちしんいち)さんは、奈良県東吉野村で350年続く竹之内林業の15代目である。ここでは、古くから1haに1万本から1万2,000本を植林して間伐し、いい木だけを残すという方法をずっととってきた。
 間伐した細い木も、刈り取った稲を干す稲足や建築用の足場丸太として売れたという。吉野は、日本一、木材の値段が高い村として知られていたのだ。
 手入れをして、立派に育てて収益をあげるそのハウツーを全国から学びに来るほどだった。
 昭和16年生まれの竹内氏は、小学生の頃から、林業家の長男として家業を継ぐべく、そんな山の仕事をあたりまえに仕込まれてきた。
 ところが、20数年前から、その方法では立ちいかなくなってきた。以前のように木材が売れない。売れないから木を伐らなくなった。手を入れなくなると、山は荒れていく。そして、生活できなくなって、若者が都会へ出てしまい、村の過疎化も進む。
「何とかして、山に人を呼べないかと考え始めました」

地面いっぱいに生えたワラビ

 竹内さんはそう考え、大きな冒険に挑むことになる。

●都会の人に山に来てもらおう!

 ワラビ園にしよう――!
 竹内さんが持っている山のひとつに登記名「クロワラビ」という山がある。当時、50年生のスギ、ヒノキが植栽されていたが、その名前どおりにワラビがたくさん自生していた。間伐して、日当たりをよくしたら、もっとワラビが出てくるようになった。
 

コテージ周辺からの絶景。金剛山、二上山などを一望