平成17年度

民と学のコラボレーション 未利用木質資源を活用した新商品開発 和歌山県和歌山市 NPO和歌山県木質資源開発機構 事務局長今西 武さん 和歌山大学学長小田 章さん 教育学部教授池際弘之さん 経済学部教授中村太和さん

●丸太が簡単に燃える!?

『木いぷ』とネーミングされた木製簡易コンロ。
 一見、高さ40cm余り、直径30cm程の、ただの丸太である。よく見ると、切り口の円形面にスリットが入っている。それも、片方が碁盤状で、もう片方が線状と、上と下で異なっている。
 使い方はいたって簡単だ。まず、地面にレンガなどを間隔をあけて置き、その間部分で火をおこす。レンガの上に碁盤状の面を下にして『木いぷ』を置いて燃やす。しばらくすると、煙がもうもうと立ちのぼる。約10分そのままにしておいてから、上下を反対にする。これでOK。
 やかんで湯を沸かしたり、鍋をのせて煮炊きができる。この火力の状態が約1時間30分余り持続する。風が吹いても火があおられることがない。煙も出ずにしっかり燃えて、火力も強い。最後に

和歌山大学のシンボルをデザインしたスギのオブジェ

丸太コンロ『木いぷ』は災害時に大いに役立つ(上部から)

は完全に燃え尽きて灰だけになる。
 キャンプなどで火をおこしたことのある人ならおわかりだろう。
 丸太はなかなか火がつかず、燃えにくい。だから、大きな丸太に簡単に火がついて中から燃え、その火で手軽に煮炊きができる『木いぷ』はすごい製品なのだ。
 この『木いぷ』1個、1,575円で販売中である。

●新しい木の事業展開を考えるNPO

『木いぷ』を展開しているのは「特定非営利活動法人 和歌山県木質資源開発機構」である。
 2003年秋、間伐材などの有効活用に関心のある有志が集まり、方策の検討を始めた。その会の名は「未利用木質資源研究会」であった。
 その年末には、丸太の端材を加工した簡易木製コンロの試作品が完成。これが製品第1号で『木いぷ』の前身である。
 2004年からは、和歌山大学、近畿大学の研究者が合流。実用化と商品化に向けての実験や改良だけでなく、他の数多くのプランが提案され、試作が進んだ。