平成18年度

青森ヒバと地域を護る!「青森ヒバ油(ゆ)」の超能力とは?青森県北津軽郡中泊町 ㈱成田林業土木成田剛(なりたつよし)さん

この巨大な蒸留釜が3基もある

抽出された「ヒバ油」。
ほとんどは「ヒバ留出水」


「ヒバ留出水」から作られた入浴剤「翌檜香」

 

山積されたオガコ

「ただ、ヒバ油生産は労働としてみれば軽労働でできるメリットもある。ここ津軽でも、高齢者の雇用は大きな問題になっています。だから、地域の雇用拡大につながる可能性は大きい。地域と林業は切り離せないもの。そんな意味からもこの事業は、やりがいのあるものなのです」
 成田さんの目から見ても、林業は大きな転機を迎えていると言う。
「以前は、製材工場や森林管理署から請け負って立ち木を伐採して、搬出するまでが仕事だった。が、今では集
成材にして商品そのものにするまでが事業になりました。扱うヒバもその量は減っています」
 しかし、成田さんは林業の今後に希望を持っていると断言する。
「木曽のヒノキや秋田のスギに比べると、どうしても青森ヒバはブランドとしての知名度は低い。それでも、私は国産材の時代が来つつある、と思っています。静岡などで始まっている学校、病院、公共施設などでの国産材の利用、高速道路の防音柵など、新たな利用分野も広がってきている。森林の整備に対する補助も見直されてきているのも、いい兆しだと思いますね」
 人は誰でも年老いてくると、生まれ育ったところで死にたい、と願うようになる。
 成田さんが続ける。
「『地産地消』という言葉が、よく言われるように、この津軽で育った青森ヒバの家に住みたい、そういう声が確かにあります。我々の地域の森林を守っていきたい。ちゃんと手がければ、5~10年で見違えてきますよ。そのためには、まさに今こそ、森林の整備をやらなければ滅んでしまうのです」
 ビジネスの裏側には、こんな熱い想いも潜んでいたのである。