平成18年度

秋田フキを守れ!農家の主婦によるゼロからの挑戦秋田県秋田市下新城中野 秋田フキ手染め研究会 中川(なかがわ)ハル子さん

染め上がった布地を陰干しする

風が強くても、直射日光もダメ。密植させないと育たないが、密植し過ぎてもダメなんです」
 影を作り、風よけにもなるような大きな木の下で育てるのが、もっとも確実な栽培法らしい。
 フキ染めの時期は、5月下旬から6月。
「フキの染液は、空気に触れるとすぐ酸化してしまうので、朝、生葉を採ってすぐ煮出して、そのまま染めに入るのがコツなんです。液の半分を使って染めて、残った半分を冷凍保存してストックしておきます」
残った染液は、冬の農閑期に染めるためにとっておくのだと言う。
 販売ルートは、今のところ秋田県特産プラザ「アトリオン」、秋田空港、「JA新あきた」の直売所だけだという。

冠婚葬祭にも重宝な
「秋田フキ染め」のネクタイ

 人気商品は、スカーフなどがメインだが、一番の売れ行きは、やはりハンカチ。
「1,500円という手頃さがいいんでしょうね。お土産として、県外の方に喜ばれています。最近は、仏事にもよく使われるようですね」
 なるほど、上品な色は慶弔事にも向いているに違いない。
「『土地の力』というものがあると思うんです。そこに行かないと手に入らないもの。お客さんと直接お話しして、ついでに苦労話もおみやげにしてね」と中川さん。
 県外のお客さんからの人気――それこそが自分たちの励みになっていると中川さんは、これまでを振り返る。
「私は、あくまでも商売というより、秋田フキを絶対に絶やさないという想いで取り組んできました。それがこの仕事の何よりも魅力なんです。農家の主婦ですから、トントンの収益であればそれでいい。化学染料だったら、短時間で均一のものが大量に作れるのでしょうけれど、私たちは、一枚一枚納得したものしか作らない。そういう気持ちも大切なんじゃないか、と最近は思うようになったんです。無理だと言われた秋田フキだったから、よけいにこんなふうに思えるのかもしれませんね」
 特産品の誕生にも、こんな物語が隠されていたりするのである。
 

努力が評価され、秋田県知事賞を受賞したメンバー