平成18年度

苦境の中での新商品開発!第三セクターが挑む林業の未来 秋田県横手市山内 ウッディさんない高橋嘉男(たかはしよしお)さん

『ウッディらんど』には、『ウッディさんない』と道の駅がある

多くの利用者が来たところで、とてもビジネスになるとは思えない。
「そりゃ、採算は取れませんよ(笑)。インストラクターの手間賃程度になるのがやっとです。当社の本業があるから、やっていけるサービスですね」
 この山間の村は、平成の大合併により横手市に吸収されたのだが、古くから県南有数の林業地として知られていた。
 しかし、全国的な林業不振の波は、この村にも深刻な影を落としていた。旧山内村は、その大胆な解決策として、第三セクターによる『ウッディさんない』を設立させたわけである。
 第三セクターによる「ウッディさんない」、果たしてそのスタートは――?

『木の香』という名のショップには木のおもちゃが

●インテリアから土木工事資材まで

「設立当初から数年間は、県内外の森林組合や民間で林業関連の事業に取り組んでいるところを視察して回りま
した。
そんななか、お隣山形県のとある会社との出会いが、『ウッディさんない』の第一歩でしたね」と高橋さんが回想する。
 その会社が取り扱っていたのが、間伐材の木レンガ「ウッドロック」だった。遊歩道や公園に、間伐材を輪切りにした木レンガを埋めていくのだ。木の持つ温かみと年輪の上を歩く面白さ、そのアイデアに感心した高橋さんたちは、さっそくパテント契約を決断。県内外で営業を開始する。そして、さまざまな公共事業に乗り出していったのだが……。
「コストの問題、つまりパテント代がネックになり、自分たちのオリジナルの商品で勝負する必要に迫られたのです」
 日夜、アイデアをひねり、役所やコンサルティング会社の提案などを受け、新たな事業に取り組んでいった。
「ニーズは確かにあるんです。だから我々も要望に応えようと、必死になって図面を描いてプレゼンしてきました」
 そのかいあって、公園のベンチやプランター、テーブルセットなどの小さなものから、ログハウス風トイレ、パーゴラ、藤棚などなどの発注が舞い込んできた。
 そして、土木事業資材にも力を入れ、「護岸、擁壁用修景ユニット」などの大規模な事業にも乗り出した。
「護岸、擁壁用修景ユニット」とは、加工した木材のユニットを護岸や堰堤、土留め用に使うというもので、「修景」というネーミングからわかるように、殺風景なコンクリートに比べ、自然に溶け込んだ景観を生み出すことができる。
「コンクリートだけのものに比べると、格段に負荷を軽減できて、森林の整備にもつながる。山の間伐材を利用しながら、ゆくゆくは山の自然に戻す、ということにもなる」と高橋さん。

木工品を作るDIYルーム

 そのコンセプトは、土木、建築業者からも支持され、事業の主体は、土木関係が8~9割、公園関係が1~2割を占めるようになった。