平成18年度

建具から家具に転身! 地域循環型森林産業をめざして 新潟県上越市 協同組合ウッドワーク

あちこちにスギの間伐材が放置されたままで。そこで、この間伐材を使って家具作りが出来ないかと考えたのです」
 スギは、建具の原材料としてよく使われていた。また、長年の建具職人としての経験から、スギの長所も短所もわかっている。
 また、間伐材を使えば、山を蘇らせることにつながり、ひいては環境保護にも大いに役立つ。地元の間伐材使用で自分たちの再生と環境保護の一石二鳥が可能になるかもしれない。
 こうして、再生を賭けた建具職人たちの家具作りという挑戦が始まったのだ。

●窮地を救った家具デザイナーとの出会い

 チャレンジの一方で、組織改革も行われた。
 それまでの研究会という任意組織では結束もゆるく、経営資源の集中も難しい。そこで平成6年、研究会のメンバーの中から24社が集まり、資金を出し合って仕事を分け合う協同組合ウッドワークとして再スタートしたのだった。
 しかし、走り出した早々に、大きな壁にぶつかる。すぐに入手できると思っていた間伐材が、なかなか手に入らないのだ。
 その理由は、当時の間伐材の価格が安すぎたことにあった。市場価格が山からの搬出コストを割り込んでいたのだ。つまり、市場の売値よりも搬出コストの方が高かったのである。
 米山氏たちは考え抜いた末に、地元の森林組合と交渉し、品質を問わず、1m³あたり1万8,000円で、年間200m³を買うことを約束し、組合メンバーで資金を出し合い、ようやく間伐材を手に入れることが出来たのだった。  しかし、苦難の道はまだ続いた。

10日前後かけて木材を乾燥させる

「試作品として作り、販売した商品を待ち受けていたのはクレームの嵐でした」(米山氏)
 建具が専門だったメンバーにとって、家具作りは初めての経験だった。建具の平面的な製品に対して、家具は立体的である。しかも、雪国上越の間伐材は、豪雪のために曲がりもひどく、クセや狂いも大きかった。
 さらに、デザインの問題もあった。
 協同組合ウッドワークでは、自分たちの活動を広めるために毎年、東京で展示会を開いていたが、見に来た見学者の中から。「これを本当に売るの?」という声があったという。
 それぐらい、無骨なデザインであった。
「結果、家具を作ってもなかなか売れませんでした。負債も徐々に膨らみ始め、組合全員で負債リスクを背負うことにすると、1社抜け2社抜けと、会員も減り始めました」
 しかし、米山氏たちは、地元産業再生になるから、たとえ家具の出来が悪くとも、環境保護のため買ってくれ、とは言わなかった。
 

間伐された健全なスギ人工林