平成18年度
究極のアイデア――本と森との交換で山の再生を図る 福島県南会津郡只見町 たもかく株式会社

「たもかく」の吉津耕一社長
「山深い只見に都会から遊びに来てもらい、なおかつ只見の自然を守る方法はないかと考え、この『森とらすと』に辿り着いたのです」
しかし、そこに行き着くまではさまざまな紆余曲折があった。
●都会からの集客活動を積極的に展開
豊かな森林資源に恵まれた只見町は、以前から製材業が盛んであった。そこで、製材業者が集まり「只見木再加工(ただみもくさいかこう)協同組合」を結成。林業構造改善事業などの補助金をもらいながら、資源の有効活用の一環として家具メーカーの部品作りに当たっていた。ところが……、「商品としての付加価値も低く、加工すればするほどコストがかさむという悪循環でした。しかも、メーカーからダメといわれたら、すべておしまい。メーカーの下請け化が進むだけでした」
いつしか吉津氏は、部品作りに疑問を感じるようになったという。
そんなとき、吉津氏のもとに東京のある出版社から、思いもかけない話が持ち込まれた。それは、只見の古い農家をリフォームし、セカンドハウスに作り替えられないかというものだった。
吉津氏と組合は、それを快諾。翌年から古い農家のリフォームが始まった。
「設計料が200万円で、リフォーム費用が2,000万円。当時の只見の新築でもそんなにはかかりませんでしたから、周囲はどんな家が出来るのかと興味津々でした」
完成後、この家が雑誌で紹介されると大反響を呼ぶ。自分も只見の農家をリフォームして別荘を建てたいという都会人が、何人も只見を訪れるようになる。
この成功で自信を得た吉津氏は、組合に対して、部品作りをやめ、都会から遊びに来てもらえるようなシステムを考えようと提案した。
しかし、組合は吉津氏の提案を巡って、意見が対立。結局、大半は部品作りを続けた方が生活は安定すると、吉津氏の提案は退けられた。
それでも吉津氏は諦めなかった。組合から別会社で始めるなら、という了解を取り付け、平成元年10月に資本金1,000万円で「たもかく株式会社」を設立した。
そして、4年後には「たもかく」が所有する山林で、山菜取りや紅葉狩りなどを楽しめ、さらに只見の民宿や旅館に割引で泊まれる『グリーンパスポート』と『グリーンビザ』を発売。続けて、1坪から買える緑のオーナー制度『ナチュラルピース』を展開して、都市部からの集客活動に積極的に乗り出した。
また、吉津氏の活動を聞きつけたマスコミにも取り上げられ、テレビ放映などにより、只見町で田舎暮らしを考えている人や自然派志向などの人々が訪れ始める。
ところが、ここで思わぬ伏兵が待ちかまえていた。吉津氏が苦笑する。
完成後、この家が雑誌で紹介されると大反響を呼ぶ。自分も只見の農家をリフォームして別荘を建てたいという都会人が、何人も只見を訪れるようになる。
この成功で自信を得た吉津氏は、組合に対して、部品作りをやめ、都会から遊びに来てもらえるようなシステムを考えようと提案した。
しかし、組合は吉津氏の提案を巡って、意見が対立。結局、大半は部品作りを続けた方が生活は安定すると、吉津氏の提案は退けられた。
それでも吉津氏は諦めなかった。組合から別会社で始めるなら、という了解を取り付け、平成元年10月に資本金1,000万円で「たもかく株式会社」を設立した。
そして、4年後には「たもかく」が所有する山林で、山菜取りや紅葉狩りなどを楽しめ、さらに只見の民宿や旅館に割引で泊まれる『グリーンパスポート』と『グリーンビザ』を発売。続けて、1坪から買える緑のオーナー制度『ナチュラルピース』を展開して、都市部からの集客活動に積極的に乗り出した。
また、吉津氏の活動を聞きつけたマスコミにも取り上げられ、テレビ放映などにより、只見町で田舎暮らしを考えている人や自然派志向などの人々が訪れ始める。
ところが、ここで思わぬ伏兵が待ちかまえていた。吉津氏が苦笑する。

倉庫代わりに使われている貨車は全部で8両


