平成18年度

製品化されるウッドセラミックス ヒバ循環リサイクルシステムへの挑戦――神奈川県川崎市 戸川斉(とがわいとし)さん(トーキンEMCエンジニアリング) 岡部敏弘(おかべとしひろ)さん(青森県工業総合研究センター)

●ウッドセラミックスって何だ?

「何で木がセラミックスなんだろう? 岡部敏弘(おかべとしひろ)先生のリリースを見て、まずは話を聞いてみようと伺ったのが最初です。当時、先生は弘前の工業試験場にいらっしゃいましたから、今から15、16年前のことです」
 そう語るのは、トーキンEMCエンジニアリングテクニカルセンター長の戸川斉(とかわいとし)さんだ。
 通常、「セラミックス」といえば、陶磁器やガラスなどの窯業製品の総称であるはずだ。
 技術開発を担当している戸川さんが、ウッドセラミックス(ウッドセラ)に着目したのは、その多孔性材料で良好な導電性だった。電気機器などの製品検査場(電磁シールド室)に使われる電磁遮蔽材(でんじしゃへいざい)への応用の可能性を期待したのだ。
 戸川さんが勤務するトーキンEMCエンジニアリングの親会社である、NECトーキンは、もともと東北大学金属材料研究所から派生してできた会社である。この研究所では、“センダスト”等の国産磁性材料を開発したことで、戦

トーキンEMCエンジニアリングの本社

これがウッドセラミックスだ

前から国際的な知名度がある。
 現在のトーキンEMCエンジニアリングは、電磁ノイズの測定対策技術の開発や測定サービスなどを行う会社である。
 冒頭の岡部先生とは、青森県工業総合研究センターの岡部敏弘さんのこと。青森県産のヒバ材で、循環型のリサイクルシステムについて取り組んでいる研究者である。ウッドセラは、このリサイクルシステムの一過程から出てきた“産物”なのである。

●ヒバ材に注目!

 岡部さんにも話を聞いてみた。
「ヒバを製材するときに、20%程度廃材が出てきます。ゼロエミッションの観点から、この廃材で循環型リサイクルシステムができないかと考えました」
 青森の一研究者が、壮大なプランに立ち上がったのは、昭和61年、今から20年前のことだった。青森ヒバは、木曽ヒノキ、秋田スギとともに、日本三大美林のひとつになっている。