平成17年度

地元の木を使って山を元気にしよう!東京の木で家を造る運動 東京都青梅市 東京の木で家を造る会

●顔の見える家造り

「昔あった林業の形を再構築しよう。そのために、地元の木を使って家を建てて、まず山を元気にしよう。すべては、そこから始まったんです」
 こう語るのは、「東京の木で家を造る会」事務局の稲木清貴(いなぎきよたか)さんである。
 東京で林業が行われていることを知る人は、あまりいないかもしれない。現在、東京都の森林面積は、全体の36%。その大半が、多摩川流域にあり、西多摩地域だけに限れば、77%が森林で、林業従事者は320人。
「東京の木で家を造る会」は、この西多摩地区の木、つまり東京育ちの木で家造りをすることで、林業に活気を取り戻し、森林(もり)を育て、ひいては都市環境の保全をする、という目的で1996年(平成8年)に設立された。その後、2001年に協同組合化し、現在に至っている。
「単に木材の需要が増えればいいという発想ではありません。林業家、製材所、建築家、工務店、そして建主が、お互い顔の見える関係で家造りに取り組み、住みよい住まいを実現し、林業の元気を回復していこうということなんです」と稲木さん。

専門家たちによるセミナーに建主たちが参加する

西多摩の木で家が建てられていく

 本来、家造りは地場産業だった。家を建てる時は、地元の山林から木を伐り出し、町の製材所で木材に加工し、顔見知りの職人が腕を振るって建て上げるというのが普通だった。
 それが、現在ではキッチンやサッシのメーカーは知っていて

事務局の稲木清貴さん

も、柱や梁、床の木材の種類はおろか、どこで生産されたものであるかを知る建主は、ほとんどいないだろう。
「だから、顔の見える家造りをしていこう、と考えたんです。100年かかって山は作られるのに、1年で作る家に合わせようとするから無理がある。僕らは山に合わせて家を造ろうとしているんです。だから、目の前にある材料で何を作るかを考える料理人の発想ですね」